BREATHLESS  T       activity




戦いは終結に向かって動き出した。
地上に降り立ったあしつきは、もう飛べない。
地球軍の敗北は、もう目前となった。



そうして、悲劇は起こる。




「っち、めんどくせーな。このだだっぴろい所を、やつらを探すためだけに駆け
ずり回らなきゃいけないなんて。」

『しょーがないだろ、任務なんだからさ〜。』

やる気も何もなさそうなディアッカの声。
なぜああも、あいつはやる気がないのか・・・。

『文句言ってる暇が有ったら、さっさと探せよ。』


いつもの優等生調のアスラン。

「うるさい!!いちいち指図すんな!年下のくせに。」

俺はそう吐き出すと、イライラと通信を切った。

いつもいつもあいつは、人の神経をサカナデする。
あいつはいつも、俺の調子を狂わせる。


「ん‥‥?あれは‥‥」


視界の端に何か、多分MSのような、影が見える。

少ししゃくだが、切ったばかりの通信をつなげた。

「岩の影に何か・・・MSのようなものの影が見える。」
!?』

それぞれの所に緊張が走ったのが、回線越しでもわかる。

「俺が見てくる。連絡するまで、まってろ。」
『まて、イザーク。俺も行く。』

緊張が見え隠れするアスランの声。

「俺一人で十分だ。様子を見るだけなら、問題無いだろ」

そう、言い置いて、俺はそっとそこに機体を近づけた。


「やはりそうか・・・・。」

岩影に隠すように置かれたMS。

「ストライク。しかし、なぜパイロットがいない?」

こんな所に放置すれば、見つかってしまうことは目に見えている。

「まあ、いい。これを持ち帰るか。」

空のコックピットに入り込み、たちあげるが・・・全く反応しない。

「なんなんだ、このパスワードは。」
『イザーク、何か見つけましたか?』

いきなりニコルからの通信が入る。

「あ、ああ。ストライクを見つけた。」
『え!?』
『本当か?!』
「ああ、パイロットは居ない。機体は
・・・全然反応無し。」


これはしゃくだがお手上げ状態だった。

「もう少し先を見てくる。又何か有ったらこちらから連絡する。」

コックピットから出て、岩場を進む。
日は傾き始め、色濃く影を生み出す。
その中を、俺は慎重に進んだ。

「?」

濃厚な香り。
それは


「血の匂い・・・・なんでこんなところで・・・・。」


岩は砂と血で赤く染まり、何度も撃たれた跡のある屍は、無残にうち捨てられていた。
その光景の向こうには・・・






惨劇はいつ起こるかわからないもの。

息の詰まるような
そう、それはまるで地獄絵図。










かなり昔に書いて放置していたもの。
ずっとアップしたかったのですが、あっちもこっちもというのはよくないかなと思って
少しの間封印してました。
漸く出せてよかった。
でも、前考えていた展開にできないと、自信を持っていえる自分が居ます。。。