doom
アスランサイド
オーブに着いた瞬間、走り出したい衝動を抑えながら、いくつかの手続きをし、車に乗り込んだ。
やっと会いにいける。
車に乗り込んだ瞬間、エンジンの負荷も考えず足を踏み込ませる。

苦しくて
苦しくて
でも、それ以上に、もっと本能に近いものが心に蟠っていた。

  会いたい

それだけなのかもしれない。

  苦しい

この苦しさも本当だけど・・・


キラ・・・


キラがいれば、こんな苦しみなんて・・・。


海岸に沿って作られた道。
其の途中、海岸に人影を見た。
たくさんの子供と男女。

ああ・・・

「キラだ・・・」

ずっと会いたかった。
この空の向こうでずっとそう思っていた。

だから、思わず笑みが零れる。

例え、キラの隣りにラクスがいたとしても・・・

「アスラン」

キラが久しぶりだねと、笑いかけてくれる。
それが唯一の支え。


  『パトリック・ザラの取った道こそが―――!!』

一瞬だけ、あの言葉がフラッシュバックする。

何が正しい物か。
何処が唯一正しい道だと言うのか。

ありえない。

あの日々を、正しいなどとは思わない。
嫌いな物全て壊して、どうやってこの世界で生きようというのか。

心底、苛立つ。

何が正しいかなど、わからないけど。
それでも、あの日々が正しかったなどとは思わない。
絶対に。

「何が正しいかなんて、まだわからないけど・・・」

寂しそうに笑いながら言う、そんな顔を見たいんじゃない。
本当は笑って欲しい。

戦いなんて、あるからこんな事になるのか?
それとも、もっと別の何かの所為で、戦いが起こるのか?

ただ、一緒にいたい。
笑って欲しい。

戦う事など無い場所で。
争いなど知らない場所で。

君をそんな場所に、閉じ込めてしまえたら・・・・。

「僕達は今度こそ正しい道を・・・」

そんな物、本当はいらない。
正しい道なんて要らないよ。

ただ、君といられる世界があればいい。
君が笑っていられる世界があればいい。

君が・・・ラクスを愛していようとも。
カガリを誰よりも大切にしていようとも。
それでもいい。
永遠に、幼なじみであっても、親友であっても・・・。

その横顔を見ながら、ただただ、相手をこの腕に抱きしめられたならということばかり考えていた。


それが、相手を傷つけても・・・・。

暗い底の淵から声がする。
ただ、欲望のままにと、声がする。

それを抑えて、キラを見る。

この場所を守りたい。
それが叶うなら、もう、なんでもいい。
正しさなどいらない。

彼が、もう、その刃を持たなくてすむ場所を与えたい・・・。




発掘した物の続き。
でも、途中までしかなかったので、書き足しました。
アスランサイド。

アスランとキラが、車内に二人っきりという美味しい状況が萌えでしたよねv
アニメ見ながら萌え萌えしてた記憶があります。

まぁ、これらはありきたりな妄想話です。
もしかしたら、こんな設定で何か書くかもしれません。
確かこの頃、アスカガ、キララクは実は
お互いの事を好きなのを隠すための隠れ蓑だった設定に
劇萌えしてたんです。

どちらにしろ、どろどろな人間模様にしようとして失敗しそうですが。(苦笑)